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神戸大学入試物理対策

INDEXINDEX
目次

神戸大学 物理7ヵ年
(2019年度〜2025年度)の
傾向と対策

物理出題7ヵ年まとめ

※表組はスマホでスクロールできます

神戸大学入試 物理全体の傾向と対策

3問構成で力学・電磁気が頻出

神戸大学の物理は大問が3問出題され、うち2問はほぼ毎年力学と電磁気から出題されます。残り1問は波動、熱力学、原子のいずれかが出題されるパターンが多いです。試験時間は理科2科目あわせて120分なので、物理にかけられる時間は60分ほどになります。

設問のレベルは標準的ですが、解答をすべて記述形式で書かせるため、導出過程もしっかり示す必要があります。さらに自分で物理量を定義するよう指示される場合もあり、戸惑わないよう日頃の演習から慣れておきましょう。

記述式の解答力は時間をかけて育てる

数式を導くプロセスを順序立てて説明する力が求められます。公式を暗記するだけでは対応できない問題が出題されるため、なぜその公式が成り立つのか、どのように導出するのかを理解しておくことが重要です。

問題演習では、答えをすぐに書くのではなく、「自分が立てた物理量の設定」や「使用した原理の根拠」をしっかり書き下す習慣をつけると、記述練習に役立ちます。

出題分野別の傾向と難易度分析

力学|頻出テーマと注意点

また、「質量をm、ばね定数をk、重力加速度をg」など、自分で物理量を定義させる指示が出るケースも頻発します。この訓練を怠ると、記述に時間を取られ得点が伸びません。

【過去問】2021年前期・大問Ⅰ「円錐振り子+ばねの伸び」

この問題は、ばねの先に質点を取り付け、円錐振り子として等速円運動させるという設定です。円錐振り子といえば、質点・糸の張力だけで語られることが多いですが、この問題では「糸の代わりにばねを用いる」点が特徴で、ばねの伸び量が角度θに応じて変化するため、張力(ばねの力)kxを含めたつり合い式と円運動の力学を同時に扱う必要があります。

さらに問題文では、運動エネルギーとばねの弾性エネルギーの大小比較や、特定の角度で両エネルギーが等しくなる条件など、複数の物理量同士の関係性を追わせる問いが続きます。こうした「エネルギー間の大小比較」は神戸大がよく出題するテーマで、計算だけでなく、角度による物理量の増減を考察する力が試されます。

【過去問】2023年前期・大問Ⅰ「ばね衝突+振り子の円運動」

この問題では、水平ばねに取り付けられた小球Aと、糸で吊るされた小球Bの完全弾性衝突、そして衝突後にBが鉛直面内で円運動を行うという、神戸大学の力学で典型的な複合設定が扱われています。

「張力ゼロ条件」「エネルギー保存」「衝突の力学」をつなげるのが神戸大学の典型的な作問方針であり、1つの力学現象ではなく複数の現象の融合を理解しているかどうかが問われる良問です。

電磁気|記述の構造化と複合力が問われる

特に複数の法則を使い分ける「判断のスピード」「記述の順序性」など、論理力が試されます。

【過去問】2023年前期・大問Ⅱ「導体棒の運動と電磁誘導」

この問題は、傾いたレールの上を導体棒が滑り落ちる際に発生する誘導起電力と、回路内の電流の向き・大きさ、さらに棒に働くローレンツ力と力学的エネルギーの収支を考えさせる典型的な電磁誘導問題です。それぞれに流れる電流を分けて計算させるため、電位差とキルヒホッフの法則に基づく論理的な電圧処理が求められます。

最後に、抵抗で発生するジュール熱の総量がどこから供給されるかを問う問題があり、これは力学的エネルギー(重力による位置エネルギーの減少)が電気エネルギーへ変換されている、という“エネルギー変換の本質”を説明させる良問です。電磁誘導の公式暗記だけでは歯が立たず、力学・エネルギー論の視点と密接に結び付けることが求められます。

【過去問】2024年前期・大問Ⅱ「質量分析器」

この問題は質量分析器を題材とし、電場による加速と磁場による円運動の双方を扱う典型的な電磁気の応用問題です。

2024年の特徴は、単なる「質量を求める」計算に留まらず、「磁束密度の変化による検出可能な質量数の範囲」や「磁場の分解能によって質量数がどれだけ識別できるか」 といった実験装置の設計・測定精度に踏み込んでいる点にあります。

神戸大学電磁気では、物理法則を公式として扱うだけでなく、装置の働きや測定の意味を理解して論理的に説明できることが重視されるため、電場・磁場・力・運動・エネルギーがどのように関連しているのかを包括的に把握しておく必要があります。

波動・熱・原子|3問目は応用型・高難度傾向

【過去問】2021年前期・大問Ⅲ「気体の状態変化とP–V図」

この問題は、シリンダー内の単原子分子理想気体を扱う総合問題で、ピストンの上におもりを載せて圧力条件を変える“準静的な状態変化”が題材になっています。

特に特徴的なのが問 4〜5 で、シリンダーを傾けることで「ピストンが受ける重力方向の成分が変わり、その結果として気体の圧力・体積の関係が変化する」という、静力学と気体の状態方程式を融合させた考察が求められます。

全体として、気体の状態方程式、多段階変化の整理、P–V図の描画、外力との釣り合いといった多様な概念を結びつけることが要求され、熱力学の基礎理解と物理的イメージを両立させる力が問われる良問です。

【過去問】2024年前期・大問Ⅲ「薄膜干渉」

薄膜干渉は、光が膜の表面(境界A)と膜の裏面(境界B)で反射し、その2つの反射光が干渉する現象です。

2024年問題では、屈折率n1の薄膜(厚さd)の上に空気、下に屈折率n2の基板があり、空気中から単色光が垂直入射する状況が設定されています。

神戸大学の波動問題は、図示されたデータを読み取り、理論式と照らし合わせて物理量を復元する力が問われます。単に公式を覚えるのではなく、「位相反転の有無」「薄膜内波長」「光路差」という基本概念を正しくつなぎ合わせることが重要です。

学部別・科目別の対策の違い

学部(主な学科) 理科の出題パターン〈個別〉 物理の位置づけ 時間・配点
理学部
数学科/物理学科/地球惑星学科
物理 + 選択1(化学・生物・地学) 物理は必須 2科目型 120 分/150 点
理学部
化学科/生物学科
化学 + 選択1(物理・生物・地学) 物理は選択可 同上
工学部(全学科) 物理 + 化学 物理は必須 2科目型 120 分/150 点
システム情報学部(仮称) 物理 + 化学 物理は必須 同上
医学部
(医学科・保健学科・医療創成工学科〔仮称〕)
物理・化学・生物から2科目選択 物理は選択可 2科目型 120 分/150 点
農学部 物理・化学・生物・地学から2科目選択 物理は選択可 同上
海洋政策科学部 物理 + 選択1(化学・生物・地学) 物理は必須 同上

学部別・科目別のポイント整理

神戸大学の物理の試験時間

神戸大学の理科は2科目合わせて120分なので、物理に割ける時間は約60分です。大問3問を60分で解くため、1問あたり約20分の配分になります。

時間配分のシミュレーション例

以下は物理のみで60分と想定した場合の例です。

試験開始直後(0~3分)

3問すべてに目を通し、どの問題が解きやすそうかを把握します。計算量や難易度をざっと見て、時間配分をイメージします。

大問1(力学)(3~23分)

斜面や運動量保存、エネルギー保存など、典型的な力学の問題は早めに処理します。焦ってミスをしないよう、文字設定と方程式立ては丁寧に。

大問2(電磁気)(23~43分)

電場・磁場・回路などの問題を解答します。式変形が複雑な場合は途中式を省略せずしっかり書きましょう。

大問3(波動 or 熱 or 原子)(43~58分)

最後の分野を短時間でまとめます。波動の描図や熱力学の式導出など、ケアレスミスが起きやすいので注意が必要です。

見直し(58~60分)

単位や変数の定義漏れ、符号ミスをチェックします。記述式なので、導出過程が曖昧な部分がないかも確認してください。

神戸大学の物理の目標得点率

大問3問で合計75点満点(理科150点中の半分を占める)という形式が基本です。6割以上を安定して取ることで合格ラインに乗ることが多いです。医学部医学科の場合はもう少し高得点を狙うこともありますが、標準問題を落とさず確実に得点する姿勢が重要です。

3年生はどのようにスケジュールを組むべきか

物理対策は早めに基本公式と考え方をマスターし、秋~冬にかけて過去問と記述練習を積むのが理想です。以下は目安スケジュールです。

4月~6月:基礎固め

教科書や基本問題集(例:セミナー物理、リードLightノートなど)で公式の使い方を習得します。力学と電磁気は特に重点的に演習し、典型問題の処理手順を確立しましょう。

7月~8月:応用問題と過去問演習

夏休みに「物理のエッセンス」「良問の風」などで標準~やや難レベルの問題をこなしましょう。自力で説明・記述できるかを意識しつつ解くことで、記述力も同時に鍛えられます。過去問に少しずつ触れて出題形式に慣れておくのもおすすめです。

9月~10月:過去問徹底演習

過去5~10年分の神戸大学の物理を、時間を測って解きましょう。文字設定や式展開のプロセスを省略せずに記述し、本番と同じ流れで解答を作成します。解けなかった問題は解説を読み込み、弱点を洗い出してください。

11月~1月:直前期対策

苦手分野の再確認と、やや難レベルの問題への対応力を磨く期間です。「名問の森」や「重要問題集」の該当分野を使い、さらに演習量を増やして得点率の底上げを図りましょう。

力を入れるべきポイント

1. 力学・電磁気の徹底理解

神戸大学物理の核心は力学と電磁気です。ここを確実に攻略するだけでも6割以上を狙えます。運動方程式や回路方程式を立てる練習を繰り返し、典型問題の解法を暗記ではなく理解で身につけましょう。

2. 記述力と論証力

導出過程の説明や図示は減点されやすいポイントです。なぜその公式が使えるのか、どの条件下で有効なのかを明確に書く練習をしておくと、本番でも安定した得点が期待できます。

3. 時間配分

60分で3問を解くには、1問20分以内のペースが理想です。途中で難問にぶつかったら見切りをつけ、解ける問題で確実に得点する戦略が必要です。

4. 難問への柔軟性

突然応用度の高い設定が出る場合がありますが、基本法則を正しく適用すれば十分対応可能です。変形した問題設定に動じないための練習を、夏以降に少しずつ積み重ねましょう。

最も言われる「公式の正しい理解を身に付けろ」!その方法は?

「公式を覚えて終わり」ではなく、公式の背後にある概念や導出手順を理解しているかどうかが神戸大学物理の得点に直結します。限られた時間で最大限得点するには、以下のステップを意識して勉強するのがおすすめです。

1. 基礎公式の整理:意義と適用範囲

エネルギー保存則・運動量保存則など

どんな状況で成立するのか、衝突や摩擦など特殊条件下で使えるかを明確に区別します。問題文にある条件を読み違えると大きくミスをしてしまうので注意です。

クーロンの法則・電磁誘導など

クーロン力や電磁誘導は距離や極性、磁場の向きなど、必ず前提条件を再確認する癖をつけましょう。

2. 演習で導出を必ず書き下す

教科書レベルの例題→標準問題集

最初は丁寧に「力のつり合いから運動方程式を立てる→積分する→速度や時間を求める」といったステップを省略せず、紙に書く習慣を持つことが大事です。

「なぜ」その式になるのかを口頭でも説明できるようにする

友人や先生に対して、一度口頭で解説してみることで記述の流れを整理できます。

3. 応用問題で変形パターンに慣れる

良問の風・名問の森などで見慣れない設定に触れる

慣れていない状況ほど、公式の根本理解がものをいいます。ばねが2本接続されている場合、電源が交流の場合、摩擦が変化する場合など、様々な応用形を経験することで「公式が使える範囲」を自然と把握できるようになります。

過去問を解き込む

神戸大学特有の「自分で文字を定義する」「誘導が少ない」などの特徴を体得し、制限時間内でどこまで正確に記述できるかを試します。途中式・図示の丁寧さを意識して添削することが重要です。

4. 反復復習で定着させる

一度理解しても、時間が空くと忘れてしまいがちです。1~2週間おきに解き直しをし、「思い出せない」部分を必ず補強するサイクルを続けてください。

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