神戸大学では総合型選抜(AO入試)として大きく2種類の選抜方法を用意しており、それぞれ受験時の共通テストを必要とするか否かで区別されています。なお、特に共通テストなしで受験できる総合型選抜(AO入試)は「志」特別選抜と呼ばれており、特定の学部・学科志望者に対して出願が認められていることも特徴です。
どの総合型選抜を受けられるかは以下の分類を参考にしてください。
国際人間科学部では共通テストありの総合型選抜が実施され、対象学科としては「発達コミュニティ学科」と「環境共生学科」の2つとなっています。ただし、発達コミュニティ学科についてはそれぞれ受験内容としてさらに「アクティブライフ受験」と「表現領域受験」の2種類が用意されている点に注意してください。
理学部では「生物学科」と「惑星学科」について、総合型選抜による受験が可能です。
選抜方法としては共通テストの成績に加えて、書類審査、小論文、面接・口頭試問の各結果にもとづいて審査され、第1次選抜、第2次選抜、そして最終選抜を経て段階的に合格者が決定されます。
医学部医学科においては共通テスト5教科7科目の成績を活用した総合型選抜が実施されます。なお、総合型選抜に対する出願数が募集人員の約2倍を超過する場合、共通テストの配点によって第1次選抜が行われ、第1次選抜の合格者のみが最終選抜である面接・口述試験へ進める点に注意してください。
神戸大学の取り組みとして、共通テストの結果を使用しない総合型選抜を「志」特別選抜と呼び、特定の学科において受験方法として採用されています。
神戸大学の「志」特別選抜を利用できる学部・学科は以下のようになっています。
なお、特に医学部においては学科によって総合型選抜における共通テストの有無が異なっており、医学科は共通テストあり、保健学科は「志」特別選抜として共通テストなしで受験できることも注意しておきましょう。
総合型選抜は大学入試の方法として採用されているものの1つであり、入学試験の結果でなく、高校卒業時の成績や小論文、面接・口頭試問などの結果を総合的に評価して合否を決定する選抜方法です。
通常、共通テストの後で行われる本試験(入学試験)を受けることなく、高校時代の学内活動や課外活動、それらをベースとした自己アピールなどによって合格を目指せることが特徴です。なお、かつてはアメリカの入学許可担当事務局(Admissions Office)の頭文字を取って「AO入試」と呼ばれていましたが、現在は日本独自の選抜方法として「総合型選抜」という名称で統一されています。
総合型選抜(AO入試)の出願開始は高校3年生の9月となっており、一般入試よりも早いスケジュールで選抜が進められていくことも特徴です。そのため総合型選抜(AO入試)によって大学への入学を目指すのであれば、早めに対策を立てて取り組んでいくプランニングが大切となります。
総合型選抜(AO入試)の強みであり理念として、偏差値だけでは測れない、個々の学生の総合的な人間力を本質的に評価しようとする点が重要です。
つまり、総合型選抜(AO入試)は一般入試の合格水準として求められる偏差値に学力が届いていない学生でも、多角的な活動実績や自己アピールの品質などによって評価され、合格を目指せる入試です。また大学にとっても人間的な総合力を高度に備えた人材発掘の裾野を広げることができるため、グローバル化が進む現代社会において将来的に活躍できる可能性を持った学生を意欲的に発掘していける点がメリットです。
総合型選抜(AO入試)は本試験として学科試験が実施されないため、「入試勉強をしなくても合格しやすい」と誤解されることもあります。しかし実際には偏差値という具体的な数値で測れない人間力を示さなければならない選抜方法であり、ある意味においては「単純な受験勉強よりも広範囲な勉強や努力」を求められることが重要です。
また神戸大学では総合型選別でも学部学科によって共通テストの結果で第1次選抜が行われるため、しっかりと基礎学力を備えられるよう受験勉強へ取り組むことが不可欠です。