2025年度は大学入試の在り方が大きく変わるタイミングであり、大学入学共通テストに向けてきちんと準備するするためには、まず試験時間に関する変更点についても正しく把握しておかなければなりません。
2025年度大学入学共通テストの試験時間について変更点は以下のようになります。
教科 | 試験時間の変更点 | 変更理由 |
---|---|---|
国語 | 変更前:80分 変更後:90分 (10分延長) |
試験問題の内容充実のため |
数学Ⅱ 数学B 数学C |
変更前:60分 変更後:70分 (10分延長) |
試験の出題範囲が増えるため |
情報Ⅰ | 試験時間60分 | 試験の出題内容や他の教科の試験時間も踏まえて設定 |
基本的に、変更のポイントと理由は試験の出題範囲の増加や内容拡充に合わせるためであり、試験時間が延長されるからといって必ずしも受験に余裕が生まれているとは限らない点に注意しなければなりません。むしろ新しい試験時間に合わせて時間配分を考えて、受験対策にのぞむことが必要です。
国語の試験に関しては、試験時間が「10分延長」されます。
試験時間の延長理由としては出題内容の拡充が挙げられており、多様な文章を提示して思考力や判断力、表現力などの評価を行うために問題量の増加がアナウンスされています。また増量される問題は「大問」とされており、大問の中に含まれる小問が増えるわけでない点にも留意しなければなりません。
大問が増えるということは必然的に読むべき文章などの量も増えるため、10分間の延長となっていますが、実質的には決して余裕が増えているとはいえないでしょう。そのため全体の分量をチェックし、適切な時間配分をイメージすることは大切です。
数学に関しても、数学Ⅱ、数学B、そして数学Cにおいて試験時間が「10分延長」となっており、その理由には出題範囲の拡大が挙げられています。
試験時間として延長されるのは10分だけであるにもかかわらず、受験勉強として対策しなければならない範囲そのものが拡大されているため、受験対策は早くからスタートし、これまでより広い範囲をカバーする勉強が必要になります。また試験時間に合わせた時間配分の感覚も同時に養うことが重要です。
現代は日本国内だけでなく世界各国の人々や文化と交流する機会も増えており、社会全体が世界規模で国際化・情報化の渦中にあるといえます。そのような社会的背景を踏まえて、これからの社会を担う人材として単なる知識や技能の習得だけでなく、それらをベースとして新しいことを想像したり自ら表現したり、また多様な人々と協働していくスキルの習得が重視されました。
大学入学共通テストの変更は、そういった高校教育や大学教育における一体的な「高大接続改革」の一環として実施されてり、日本の将来で活躍するグローバル人材の育成を目指す上で重要な取り組みだと認識されています。
なお、高大接続改革や教育改革は途上の段階にあり、今後も様々な状況を踏まえて新たな変更や改定が行われる可能性もあるでしょう。
政府の高大接続改革の一環として大学入試に求められる価値や目的も変化しており、2025年度の大学入学共通テストにおいても試験内容の変更や増量に伴って試験時間の見直しが行われます。
これらの変化は単に「10分」という時間だけを見ればあまり大きくないと思えるかもしれませんが、実際には出題範囲の拡大や出題傾向の変更によって受験対策として学ばなければならない情報量が増大しており、これまで以上に予備校や専門家のサポートも受けながら適切な対策へ取り組んでいくことが必要です。